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「…でっか。」
「アンビリィ~バァボォ…。」
銀色の鉄骨を鳥居のように組み合わせたゲートを幾つも潜りながら二人は間抜けな声をあげた。
徐々に近付くサンドハーストは近未来的で美しい建物だった。
建物の前面が全てガラス張りであり、光を浴びてキラキラと輝いている。ただ年代は経っているらしく土埃で汚れているものもあるがそれでもその褪せたガラスを補うように周りのガラスが輝き、全体が調和しているように輝いていた。
学校と云われなければどこぞのIT企業の本社だと思ってしまうだろう。
ふとリクはあるものに気付く。
「なぁ、あのフワフワ浮いてんのは何だ?」
リクが指さしたのは校舎の後ろからアドバルーンのように頭を出している球体だ。風船には見えず、窓やらドアが付いている。
日本の某テレビ局にあるあの丸い部分を切り取って浮かばせているようだ。
「あぁ、あれはプラント。実技に使う闘技場とか部室とか特別教室とかを空間系魔法で作った空間で賄ってるんだってさ。」
「魔法…ってことは誰かが制御してんのか?」
「理事長じゃない?変人ってハナシだけど魔術師としてはトップクラスだし。」
リクはパンフレットで見た本名不詳、経歴不明、素顔もわからないフードの男の写真を思い浮かべた。
「…人は見かけによらないな~。」
「年中無休で制御してるらしいからオドロキだよねー。」
昇降口から校舎に入ると空港の入国審査のような受付が並んでいる。どの受付も入学生でごった返していた。
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