7.ダンジョンプレイ【オアシス・イン・ザ・デザート】

15/45
前へ
/913ページ
次へ
「んでさ、まぁグダグダ理屈並べてさ。そのまま水に流しちゃうのかと思った矢先にな。『まぁ、それはそれとして。』って突然切りやがったのさ。」 僅かに目つきが締まった。 「オヤジ曰わく、刺青はあくまで人の肉体が神より生まれた事の証としてあるだけ。それがあるからと云ってシャーロック・ベルツがどうなるか、ってハナシじゃない。シャーロックの魂も確かに神から生まれたワケだが、それをどう定めるかに神は関われない。だから、お前は意志次第で教えを無視して刺青を消してもいいし、同じ教義を信じる事にしてもいい。ってさ。」 ラウルは小さく頷いた。 「それからまたしばらく考えて…思ったのさ。ぶっちゃけ俺は自分の意志で産まれたワケじゃない。この体もオヤジとオフクロがいて初めて出来たもんで、俺が何かして作ったもんじゃない。誰かの存在が無けりゃ成り立たないし、それを否定したら生きれりゃしない。」
/913ページ

最初のコメントを投稿しよう!

863人が本棚に入れています
本棚に追加