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「でもな、俺が俺として生きるのは俺の考え一つだ。この体も例えカミサマが作ったモンだとしても使うのも、この先持ち続けるのも俺。全部俺が決め、俺が動かす。そこに他人なんて関係無いし、他人にいじられる事も無い。こんな事悟っちゃってさ、もうオヤジとオフクロ責める気も失せちゃってなぁ。んで、今に至るワケ。」
「でも、なんで…。」
「ん?」
「なんで、その刺青を消さなかったの?」
ラウルの、率直な疑問。
「オヤジとオフクロは俺に同じ教えに従うようにしなかったけどさ、あの二人にとって信じているモノを俺に預けたんだ。どんな教えかは知らないけど俺はコレのお陰で悟れたし、あの二人の信じているモノを否定したくない。だから、残した。コレでちょっと損する事もあるけどな、俺の意志で残したんだ。後悔は、していない。」
シャーロックは苦笑いした。それでも、その横顔にはシャーロックの自信が滲んでいた。
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