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何もかもを引き剥がした心で、ラウルは思考を巡らせ、意志を固めた。
ラウルは両手で乱暴に涙を拭い、頬をピシャリと叩いた。
「…シャーロック!」
「何だ?」
張りがあるラウルの声にシャーロックは明るく応じた。
「ひとまず、あの先輩を倒そう。今、現状を打開する手を思い付いたんだ。」
ラウルは一息置いて、云った。
「僕と一緒に、やってくれる?」
シャーロックは満面の笑みで答えた。
「おう!」
今はとりあえず動こう。戦おう、走ろう。
その答えを、そしてその先にある答えを、ラウルは強く噛み締めた。
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