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ガクンとうなだれたリーシェンはしばらく沈黙していた。
だが、閃いたように跳ね起きる。
「いたぁいねぇぇ!アッシュとの組み手もこうはいかないのねぇ…!」
饒舌さは変わらないが、目の焦点が虚ろだ。脳震盪を起こしているらしい。
「そりゃあ俺ですかんな!」
元気よく言い放つシャーロックにリーシェンは目つきを変える。
「にしても妙だねぇ…目潰しは済んだのになんであんな正確なホワイトアウトを使えるのやら…。」
リーシェンは煙を吐いて睨み付ける。
心当たりは、あった。
「ラウルのサポートがあったからさ。」
リーシェンがどくと、ウィル・オブ・ウィルを展開させたラウルが歩み出た。
小柄な体躯から、放射するような威圧感を醸し出している。
「あぁ~?あっちこっちに配置される程呆けちゃ…。」
リーシェンの言葉は途切れた。
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