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そこでリクとアレンのやり取りを見ていたシオと目が合った。
「あっ…。」
リクが云う前にシオはぷいと顔を正面に向けた。
リクはその冷淡な反応に一瞬戸惑ったが、そのまま流すわけにもいかず恐る恐る話しかけた。
「あー……、俺月白リクって云うんだ、ヨロシク。前に座ってるのはアレン・スチュアート。中学一瞬なんだ。」
「ハロー♪」
アレンがおどけて挨拶する。シオは横目で二人を見てゆっくりと口を開いた。
「シオ・クォール…。」
「おう、ヨロシク…ん?お前船に乗ってたっけ?」
リクの問いにシオはわずかに眉を上げた。
シオは元々監察員の寮に住んでいたので直接校舎に入ったのだ。
「あー確かに見てないな~。シオってそんな地味でもないし、いたらわかるよねー。」
アレンも首を傾げた。
シオは内心慌てながら答えた。
いくら学生になるとはいえ、監察員だった事を漏らすわけにはいかない。
「前の便で来たんだ。だから会ってない。」
シオの発言にアレンとリクは目を見張った。
「お前、前の便って確か朝の六時だぞ!着いたら七時だから二時間待ってたのか?!」
「遅刻対策でも真面目すぎない?」
二人の反応にシオは内心激しく後悔しながら苦笑いして頷いた。
「真面目だな~お前。」
リクは興味深げにシオの顔を見つめた。
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