2.エントランス

17/22

863人が本棚に入れています
本棚に追加
/913ページ
少女は右膝を撫でながら立ち上がると少女を見やった。 少女の両肩がハネた。 先をロールしているブロンドヘアーが萎びたように縮こまり、かけている赤縁のメガネが小さく揺れている。 少女は少女に近付くと… 「いやー、マジごめん!大丈夫?!怪我ない?ってかキミ可愛いなぁ!彼氏いる?!今夜ヒマ?入学早々忘れられない思い出作ろうぜ!ラブでラブでラブラドールレトリバーなさぁ!!」 怒鳴り散らす…かと思えば陽気に素直に謝り、挙げ句の果てに話を明後日の方向にすっ飛ばし始めた。 色んな意味で予期せぬ展開に遭遇した少女はしどろもどろでまた半泣きになっている。 「なんて変化球…。」 リクは半ば呆れながら云った。隣のシオも冷ややかな目つきになっている。だがアレンだけは尊敬に近い眼差しを送っていた。 「なんて大胆なナンパなんだ…新しい。」 「お前なぁ…。」 リクが窘めようとした時、アナウンスが流れた。 「入学生の皆様は中央ロビーのドアーズルームへクラス別にお集まり下さい。繰り返します、入学生の皆様は…」
/913ページ

最初のコメントを投稿しよう!

863人が本棚に入れています
本棚に追加