863人が本棚に入れています
本棚に追加
/913ページ
噂のレイル・コンスタンティノーブルがステージの袖から現れた。足取りはなんとも軽やかだ。
途端に拍手と歓声が倍増した。音や声がうねり、生き物のように質量を持ってレイルを覆った。
レイルは手を振って歓声に応え、机上に手を置いた。それが合図だったかのように講堂内に沈黙の帳が降りる。
「ありがとう、みんな。また逢えて嬉しいよ、今年もよろしく頼む。」
よく通る声だ。
「そして、入学生のみんな、入学おめでとう。」
中央の席から喝采が上がる。
「色んな目的を持って君たちはここに来たと思う。君たちの心は今大きな不安と希望が渦巻いているだろう。それは在るだけで心をかき乱す。だけど、それは在っていいんだ、少なくともここサンドハーストでは、僕の前では隠さなくていい。」
最初のコメントを投稿しよう!