3.壇上の男

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シオとリクは周囲みたいに拍手も歓声も送らなかったが、無意識に立ち尽くしていた。心を揺らされたのは事実だった。レイルの言葉は甘い理想ではなく、断固たる覚悟の上で成り立っている信念だった。 シオは強烈な感情を注がれて、リクは今まで見たこと無い覚悟に衝撃を受けて、沈黙していた。 見渡せば、アレンや刺青も立ち上がり、喝采を送っている。 しかし、シェリルは立ち上がっている人の影に埋もれるように座り込んでいた。 その瞳に、光は無い。 彼女がレイルに届ける心は無い。
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