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入学式が終わった後も生徒の興奮は冷めやらなかった。
教室に戻るまでの道中、そして戻った教室の中でも絶えずレイルの名前が出てきた。そしてそのレイルに誰もが賞賛と敬愛の言葉を送った。
「カッコいいよねぇ!!カリスマって感じでさぁ!!あの人なら付いていけるよねぇ!」
アレンもその一人だ。純粋無垢に瞳を輝かせる。
「だよな~、あんな事言い切れるのはすげーよなぁ…。」
リクもまだレイルから受けた衝撃が響いている。
「そこらの政治家よりよっぽどリーダーシップあるよねぇ!」
「確かにな、なかなかいないぜ、あんな人。」
シオは二人の会話に入らなかった、正確にはシオにレイルは強烈過ぎた。二年しか自我を持っていないシオにはあれほど激しい信念を支える土台が無い。
人生の経験、過去の厚みの点においてはシオは誰よりも幼かった。
だからシオにはレイルは、レイルの信念は過ぎた代物だった。
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