ノイズ・イン・ブルー

4.スタートライン

１－Ｂは一年生男子の棟の三階になっている。
シオは0309、リクは0313、アレンは0316の部屋になった。

「へぇ～、中もなかなか…。」

リクはボストンバックをベッドに放り出し、バットケースを棚に立てかけた。
壁は白、家具は木製の凡々としたモノが置かれたシンプルな部屋だが、広さは十五畳と充分にある。南側の部屋なので日差しがよく入り、他の灯りが無くても明るい。また、デスクの上にはノートパソコンが置かれている。テレビチューナー内蔵の上物だ。
部屋にはきちんとユニットバスが設置されている。

「魔法といい、スケールといい、設備といい…常識外だな、ホント…。」

リクは今日一日驚きっぱなしである事を自省しつつ椅子に腰掛けた。