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一方のシオは不満げな顔をしている。
自分より頭一つ分高いアレン、190cm近く、並んだら鎖骨と頭が揃ってしまうくらい差があるリクと刺青の会話はシオにとってはまさに頭上で交わされる会話だった。
「あの…。」
シオがポソリと漏らした呼びかけにようやく三人は気付いた。
「…あー!悪い悪い、すっかりスルーしてたな!こりゃ失礼!」
刺青が頭を掻きながら手を差し出した。
「まずは自己紹介だな、俺はシャーロック・ベルツ。フルネームは色々面倒だから、まーシャーロックって呼んでくれ。」
シオは差し出された手を握って返す。
「…シオ・クォール。」
シャーロックは後ろの二人の方を向く。
意図を察したリクは自己紹介する。
「俺は、月白リク、隣の奴はアレン・スチュアートだ。」
「あ~そーいや同じクラスだったなみんな!いやー緊張していてイマイチ教室の中覚えてなくてさぁ!全くわからなかったぜ、悪い悪い!」
脳天気に笑うシャーロックに
「色んな意味で仲良くなりそうだけどねー♪」
早速シャーロックと意気投合するアレン。
リクもシャーロックを見直した。
突然の事態にさっきまで混乱していたシオも落ち着いた。むしろ、改めて見たシャーロックに興味が湧き、リクやアレンに対する後ろめたさも消えてた。
今談笑している三人が目の前にいることにシオはどことなく喜びを感じている。
が、この和気藹々とした空気はまた轟音でかき消される。
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