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一番階段に近い部屋から何かがはね飛ばされる音、何かが何かとぶつかる音、そして「しゅーくせーい!」と怒鳴る声。
なんとも騒々しく奇妙な三拍子が誕生した。
そしてその三拍子はシャーロックに目的を思い出させる。
「うぉぉぉそうだったぁ!俺は追われてるんだったぁ!」
シャーロックはまたせわしなくシオの部屋をあら探しする。
また三拍子が響く。
「えぇい、仕方ない!」
シャーロックはシオのベッドの下に飛び込んだ。だが、大柄な身体には狭すぎるらしく足やら手やらがはみ出ている。
また三拍子が響く。次は悲鳴も参加した。
「ジェイソンかなんかに追われてんのかお前?!」
軽く戦慄しているリク。また三拍子が響く。
それは確実にここに近付いている。
ベッドの下からシャーロックの曇った声が響く。
「覗いた女の子のツレのゴリラだ、おっそろしいスピードで追いかけてくるんだ。そこで、たまたま開いていたシオの部屋に逃げ込んだってハナシだ!」
また三拍子が響く。
「だがついにここまで追い付いてきたか…!フッ、だがまだだ、まだ終わらん、まだ終わらんさ!!」
気取ってみせるがベッドの下じゃまるで説得力が無い。
また三拍子が響く。
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