4.スタートライン

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バガァン!!! 三拍子の始まり、何かがはね飛ばされる音をたてて入ってきたのは、 ドアだった。 「…へ?」 呆然とするリクとアレンは並んで飛ばされたドアの下敷きになる。 目をパチクリとさせるシオの視界に少女が威勢良く飛び込む。 「しゅーくせーい!」 素っ頓狂な声を上げて少女はドアの上に飛び乗った。衝撃でドアの下の二人が一瞬跳ねる。 少女は黒のショートカットのボーイッシュな雰囲気だ。 全身が日焼けで小麦色になっており、引き締まった体つきをしている。格好はスポーツブラにホットパンツ。今まで暴れてきたためかうっすら汗をかいている。 「あ~れ~?ここもハズレ~?」 部屋の主のシオとドアの下の二人を完全に度外視して部屋を見渡す少女。 かつてドアがあった場所はポッカリと空き、騒ぎを聞きつけた他の生徒がチラホラ顔を出している。奥に見える向かいの部屋には、部屋の主がドアの下で寝ていた。
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