4.スタートライン

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すると入れ違いに野次馬の生徒を掻き分けて、別の少女がシオの部屋にひょこっと顔を出した。 「ちょっとデイジ~それ以上やったら泡噴くからやめなさ~い…。ってもうノビてるか…。」 背中まである艶やかな黒髪に、灰色の瞳が特徴的な少女はシオの方を向いた。風呂上がりらしく、髪が少し濡れており、ラフなTシャツ姿だ。シャーロックの情報通り胸は大きい。左目の下には泣き黒子がある。 「あ~ゴメンね~、とんだ災難だったね~。」 苦笑いしながら謝る少女の言葉にさっきまで呆然としていたシオはようやく我に返る。 「!あ、ああ、うん…。」 「ドアの下の二人にも云っといて。今度ちゃんとスジ通すからさ!…ってデイジー!もう落ちてるから!気絶した人にキャメルクラッチしない!」 シャーロックの今の状態を想像してシオは身震いした。 「あぁ、あっちのコはデイジー・ニック。ちょっと血の気が多いんだよね、黙ってれば可愛いのに~。」 少女は笑いながら、さらに自己紹介した。
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