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シオはマジマジと寮を観察しながら周囲に敷かれた白塗りのアスファルトの道を歩いた。
途中曲がり道を曲がると煙草の匂いが漂ってきた。少しばかり甘みが混じった特有の匂い。
見ると白い立方体を重ねたようなベンチの上に男が座って煙草を吹かしている。フードを被っていて表情はわからないが、猫背でどこか疲れてている印象を与える。今吸っている煙草の煙を男が吐き出す度にゆっくりと周囲を浮遊し、男を煙のカーテンの中に閉じこめていた。
男は、独りだ。
シオはそのシルエットだけで人物を特定した。
「カークス?……先生。」
嘗ての同僚を呼ぶ声はまだ慣れてないためか少しぎこちない。
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