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「あなたらしくない…。」
「だろうな。」
「野心の塊にしちゃ温すぎます。」
「ハハハ…まぁそんな俺にもいるからな…。なぁに、お前にも見つかるさ。」
アッシュにしては涼やかだ。
「見つからなくてもどうにかしますよ。」
「見つけるんだよ。」
少し膨れっ面になったヴァンクラウンは席を立った。
「どこに行く?」
「リカルドさんの元へ--…。出頭です。」
「潔いな。」
「手前の不始末を拭うのは手前だけですから。…それに多少の懲罰など、さしたる事はありません。」
そう云い残すヴァンクラウンは逞しかったが、まだ十五歳の趣は強かった。
「早熟なのも大変だな…。」
アッシュはステージを見やる。
「まぁ熟し過ぎていてもダメだな…。」
「アッシュさん!此処手伝ってくれません?!」
「あぁわかった!」
ステージ上からの呼び掛けに答えてアッシュは向かった。
後輩の不始末の後始末だが、妙に楽しかった。
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