22.それでも、僕は

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「やーれやれ、ようやく見つけたよー!」 聞き慣れた軽快な声に、三人は振り返る。 荒れた息を隠し、乱れたブレザーを素早く直すアレンがいた。 「お、ホントだ、シェリルが外に出てるじゃん。」 怪訝な顔をするシェリルにアレンは気障なお辞儀を見せる。 「やっぱりお姫様は日の光も乏しい小部屋より日溜まりが一番似合っていらっしゃる。」 「……っ。」 嬉しさと恥ずかしさが同時に色濃く浮き出たシェリルにアレンはニッと不敵に笑う。 「アレンは結局女の子にはみんな良い顔見せんのかよー。」 「オトコって奴はみんなそうさー。」 デイジーが不平を垂れるとアレンはヘラリと返す。 「…まっ、今回ばかりは傍観していられなくてねー…。」 顔を伏せた僅かな間にアレンは小声で呟いた。 「えっ?何?」 エリスが首を傾げて応えると、アレンは眉間を人差し指で掻き、調子を変えて話し出す。 「一大事っていうかハプニングでさぁ…。時間があるうちにシェリルちゃんにはエスケープしてもらおうってワケ。」 「どうして…?」 指先が冷たく震えたのがシェリルの心臓に伝わった。 不気味な予感が神経を流れて痺れさせる。 「俗に云う、修羅場でさ。」 いつもの態度のアレンだが、浮ついた軽薄さは無い。 「今すぐにでもシェリルを避難させて戻らないと…シオがヤバい。」
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