22.それでも、僕は

12/32
前へ
/913ページ
次へ
「次はあなた……?」 怒気を込めた笑みをブリジットは浮かべた。 えくぼの深さが笑みを濁す。 「…どこに行くんだ?」 「…関係無いわ。」 「あるよ。」 「つまんない好奇心で邪魔しないでくれる?」 「そんなんじゃない。」 「じゃあ何?」 「俺は、君のクラスメイトだ。」 けたたましい音が鳴る。 ブリジットが柄杓を床に叩きつけた。 「…何?三流学園モノ気取っているの?『クラスメイト同士喧嘩は止めましょう。』…バカにしないで…!」 「俺は、本気だ。」 柄杓の音には明確な苛立ちが込められている。 威嚇にも等しい。 だがシオは怯まなかった。 「もう一度、訊くよ。どこに行くんだ?」 ブリジットの眉間に、深く深く亀裂が走った。
/913ページ

最初のコメントを投稿しよう!

863人が本棚に入れています
本棚に追加