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「い、い、加減にっ!してっ!!」
細身の体から出所のわからない、猛然とした物々しい怒鳴り声をブリジットは吐き出した。
行列に組する数人が無言で仰天する。
「何でよ…何なのよ!あの女ばっかり…みんなで庇って!美人だから?!金持ちだから?!」
「別にそんな事…」
「私はどうせっ!金持ちでも貧乏人でもない取るに足らない一般人でっ!地味だし内気だし美人じゃなくてっ……!」
怒鳴り声が戦慄き始める。
「そんな私でも…大切なモノを奪われたら…哀しむし、怒るし…憎むのっ…!」
「わかってる…。」
「わかってないっ!」
ブリジットが眼光を放つ。
歪み、先端が欠けた眼光。
「誰も私を許してくれない。誰も私を認めてくれない。お姉ちゃんが死んで…お姉ちゃんを死なせたハウルロイドを恨む事を…!」
「それはきっと…何も生み出さないから!」
「解っているわよ…そんな事…。」
幾分かブリジットの高ぶりが収まったように見えた。
が、透けた、帳のような心はまだ残っている。
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