22.それでも、僕は

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「っ!!」 強烈な破裂音が鳴り響き、緊張が一気に駆け上る。 「くあっ…!」 シオが顔を歪ませてぐらついた。 ブレザーが破れ、飛沫が飛び散る。 「なっ……!」 これにはブリジットに付いて回る連中もたじろく。 「ちょ、ブリジット!丸腰相手に魔法なんて…!」 「どいて…どいてぇっ!」 叩いて、ブリジットは連射の構えを取る。 「ウォーターブレット!」 柄杓の皿の上で発生した水滴が肥大化し、勢い良く放たれる。 「…っ!」 シオは水弾を捉えるが、体を傾けて直撃を避けるだけで、全て受け止めた。 「はあぁぁっ…?」 訳が分からないブリジットだが、発火した己を律する事は出来ない。 皿に発生した水滴をさらに肥大化させ、魔力を注ぐ。 「スプラッシュバティスタ!!」 極太の水流が、清澄さとは程遠いくすみに染まった水流が、直進してくる。
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