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「そんなの……興味無いわ。殆どが名家嫌いの野次馬みたいなモノだし…私みたいに大切な人を失って本気で苦しんだ人なんて少しだけ。…でも」
「ん?」
「その人達は…もう明日を見ている。私を…止めようとするもの…。答えが欲しいのは私だけ…。此処でも独りぼっち…。」
ブリジットはもう何も語らなかった。
ヴァンクラウンも問わなかった。
問う事で何か別の代物が彼女から現れるような気が、自分の組み立てた予定を崩しかねないモノが現れるような気がしたからだ。
ブリジットは無言のまま振り返り、
「…一応、感謝しておく。」
とだけ残して去って行った。
「感づかれたかな…。ただ愚鈍なだけでは無いようだ。」
ふと、罪悪感めいたモノが喉元を過ぎた。
「…ハッ!くだらん。」
ヴァンクラウンは教室を出て歩み出した。
(…意外と人は、下らない側面で皆似通うモノだ…。)
ブリジットの本心に触れた指先が、少し怖かった。
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