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端から二人のやり取りを興味深げに見ていたシオは、ふと、一人の生徒がコソコソしているのを見つけた。
謹慎処分が解けたシャーロックだ。ショルダーバックをぶら下げ、深々とニットキャップを被り、辺りを用心深く窺っている。それでもあの派手な刺青と手にしている得物が目立ってバレている。得物はくすんだカーキ色の布袋に包まれており、長さはアルプホルンほどあり、外見からハンマーか何かだろう。周囲は怪訝な顔をしているが、声をかけるのもはばかられるので放っておいている。
「シャーロック…?」
シオが声をかけると、シャーロックは慌てつ辺りを見渡し、シオの元に素早く駆け付けた。そしてシオの背中に隠れる。
「お、おまっ!迂闊に話しかけんじゃない!」
シャーロックは小声で叱る。シオとはかなり体格の差があるので隠れきれていない。
「どうしたの?」
「あのターミネーターに見つかったらヤバいだろ!だからワザワザ隠れてんだよ!」
シオにはターミネーターの意味はわからなかったが、デイジーの事を指しているのはわかった。
「デイジーはまだ来てないよ。」
「んあっ?!あ、あぁ、アイツそんな名前で呼ばれてたよーな…。っと、取りあえずアレに見つからないようにしてるんだよ!次はキャメルクラッチじゃすまねぇ!」
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