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「くうっ…くうぅぅっ…!」
ブリジットは錯乱しているように見えて、実はかなり冷静だ。
いや、冷静というより、頭の回路が簡略化された。
彼女の認識は、敵がまた一人増えた。
ただそれだけを告げている。
「はぁっ…はあっ!」
簡略化された回路は彼女の心を整理しきれる程処理速度は早くない。
油を注ぐように、感情を、心を膨らまし続ける。
「ラウル…!」
ラウルに肩を貸してもらったシオが呟く。
「わかってる、シオ。手は出さない。…でもこのままじゃ削られるだけだ。」
「…わかっている。」
「どうしてこんな無茶を…?」
「誰かが、止めないと、彼女は壊れてしまう。」
「だとしても…何時までも…こんなっ…!」
「わかってくれるよ、ブリジットも…。解ってくれる。仲間じゃないか。」
シオは疲弊した顔に笑みをそっと作った。
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