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「ちなみに何もかもが遅れた場合どうなるか知っているか?」
まだNOISE編集室にいた時分。
本を片すシオにリントが問うた。
パソコンワークを中断して欠伸をたれている。
「どの刊から?」
「んー…悪いケースを頭に入れるとかさばるからなぁ。」
独特な表現を交え、質問して来た筈のリントは何故か渋る。
「先輩?」
「…やっぱ深くは無しだな。まだ知るべき段階じゃない。」
勝手に納得した後、リントはマグカップの中が空か確認する。
「一年前に、さっきの声明書いた…エドガー・B・ボルテールな、去年の会長なんだが、そいつが中心でまたアドレフォレストを決起しようとしたんだ。表沙汰になる前に内部分裂するけどな。アレみたいになるなよ。」
「どうなる事?」
「…あーやっぱ話すんじゃなかった…老婆心…。」
妙に余所余所しくなったリントをシオは睨み付けて無言で急かす。
「アドレフォレストの失敗で…負の感情が吹き溜まりになっちまったサンドハーストを誰も掬い上げてくれなかったからな…。」
「だから…」
「慌てるなって。どうしたよ。」
「んっ…。」
指摘されてシオは言葉を止めた。
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