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云っているうちに自分の野暮さに気付いて、頭を振って云うのをやめる。
「まぁ仕方ないさ。」
デイジーは幾分落ち着いた顔をしながら、溜め息をついた。
「あたしもちょっとハリキリ過ぎたかな…。お互いお節介だったな。」
「でもこの先どうなるかわかんないよー?バッドエンドは勘弁願いたい…。」
「今のシェリルならきっと上手くやるよ。」
エリスが優しい調子でフォローした。
「私なんかより、よっぽど強いしね。」
「エリス…。まさかお前…」
「ああ、そんなんじゃないよ!…ちょっとだけ。」
自虐的に笑って、右手でこめかみをコツンと叩いた。
「私みたいな目に遭って欲しく無いし…あの勇気を出せるならさ、絶対報われて欲しいんだ。」
「報われるさ、きっと。」
デイジーがエリスの肩を抱いた。エリスは微笑んで左手を握る。
「信じているよね~…ホント。」
アレンは終始呆れ調子だったが、その顔には温かみがある。
アレンもまた、心の奥底で信じ、祈っていた。
シェリルに幸運があるように、と。
密かに密かに。
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