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「辛かった……。」
「うん。」
「お姉ちゃんが死んだ…。大切なお姉ちゃんが…。」
「うん。」
「みんな…悲しみから立ち直って……泣いている私だけが取り残された……。」
「うん。」
「何時までもそうしているのが嫌な私と…お姉ちゃんを忘れたくない私がせめぎ合って…苦しかった。」
「うん。」
「シェリル……。」
「何?」
「涙は…流し尽くさなきゃ…私は前に進めないのかな?」
「無理に悲しみを忘れる必要は無いよ。大切な人なら想い続けて当たり前だから…。でもね、涙で瞳が濡れて…前が見えない時こそ前を見なきゃ。しっかりと…道を見極めなきゃダメ。」
「道を…。」
「でもそれは…酷く苦しい事だと思う…。止め処ない悲しみがずっと溢れてくるんだから。だから、私が側にいるよ。」
「絶対に、独りにしない。」
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