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「リカルドさん…。」
執行部員の一人がリカルドに耳打ちした。
「なんだ?」
「アッシュの向かったホールでのイザコザが収まったそうです。後でヴァンクラウン・シュフトハーケンが出頭してくるとの事。」
「あのガキ…。ホールの被害は?」
「エイドリアン・ノーブルが血相を変えるでしょうね。」
「…レオノーラには流すなよ。」
苦々しげにリカルドは舌打ちした。
「撤収だ。馬鹿をやらかした一年生共を締め上げにいくぞ。」
厳しい発言を並べて歩くリカルドはシェリルの横で立ち止まった。
「お前には一応云っておく。」
「え?」
「我々生徒会はお前の実家がどこで何をしていても気に止める事は無い。望むならこちらのポストを与えてやってもいいし、場合によっては守ってやってもいい。」
「…お断りします。」
シェリルはリカルドを見上げた。
こんな威風を漂わせる瞳をしていただろうか?
リカルドは興味深くシェリルを見返した。
「私の問題に決着を着けられるのは私だけだから…。」
「それでいい。」
それだけ云い残して、リカルドは立ち去った。素っ気ない、足早な足音を後ろに続けて。
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