24.メイビーブルー

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数分後、保健室。 廊下を乱雑な足音が疾走する。 真っ直ぐ保健室の前に立つと、ドアを乱暴に開いた。 「シオっ!!」 汗の雫を飛ばしてリクは声を上げた。その音量に中にいたペネロペ達が驚いて振り返る。 「静かにおし!此処は保健室だよ!」 鋭く注意され、リクはバツが悪そうに頭を下げる。 「すんません…。」 「リク?!」 ラウルが、ベッドを囲むカーテンの中から顔を出した。リクの形相に少し惑っている顔をしている。 「どこに行っていたのさ?」 「ラウル!シオはっ…?!」 ラウルは視線を背後に移して示した。 ベッドで寝ているシオがアメイジンググレイスで治療を受けている。輸血やら生命維持装置が担ぎ出されるような事態では無いが、腕やら体やらを巻いている包帯や頬に着けられたガーゼが痛々しい。 「リク…?」 シオの側に付き添っていたシェリルが顔を出した。 「シェリル…無事だったのか…?」 「うん…。」 シェリルは重々しく目を伏せた。 「シオの、お陰で。」
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