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俺は何をした?
シェリルが転校するなんてデマを流したヴァンクラウンを説得しにいって、結局私闘を繰り広げただけだ。その戦いだって、本当にシェリルの為にしたモノなのか?
いや、俺は…腹の底からムカついていただけだ。シェリルを勝手に俺の一部にして、それをバカにされたからキレただけだ。俺の独り善がりな正義の拠り所にシェリルを選んでいたんじゃないのか?
俺はどれだけシェリルの事をわかっていた?
何一つわかっていないんじゃないか?わかろうとしていなかったんじゃないか?
シオは俺とは全く別の道を行った。シェリルを守るだけじゃなく、ブリジットの悲しみを受け入れようとした。二人が分かり合う事を信じて立ち向かったんだ。
結局俺は…気に食わない奴を勝手に敵にしてみればぶつかっただけじゃないか。散々暴れて空回りして…本当に重要な局面に間に合いすらしなかった。
(何が守るだよ…馬鹿野郎…!)
傷だらけのシオを見て動揺する心が、後悔ばかり吐き出すのが堪らなく恥ずかしかった。
「リク…?」
黙り込んで、無言の思索を続けるリクの顔をシェリルは不安げに覗き込んだ。
リクは強く唇を噛み締める余り、答えを口に出来なかった。
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