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「…シオさ、傷だらけだった。」
「無防備でフルボッコだもの。意志があっても、身は守れない。」
「俺さ…」
「まさかリク、シオを守りたかったとか?いやいやいや、仕方ないよ!こればっかりは仕方ない!」
アレンはリクの二段後ろの段に腰掛けた。
「シオが自分で決意してやった事さ。一々水差す事ないじゃん?今はシオの無事とシェリル、ブリジットの和解を祝福しようじゃないか。」
「俺は、よ……。」
「何?」
「何も出来なかった。」
「だからさぁ」
「ンなんじゃねぇよ。俺はさ…バカみたいにヴァンクラウンとこに乗り込んで…単純に暴れただけだった。シェリルの為だって脳味噌の片隅で叫びながら、結局自分の怒りに任せて暴れ散らしただけのバカヤロウだ。シオが体張ってシェリル守って…ブリジット説得してる裏でよ…。どうしようもねぇよなぁ、ホント。ホントさ…。」
段々と感傷的に先細っといくリクの声にアレンはわざとらしく溜め息を落として見せた。
「ヴァンクラウンは生徒会に自分の行い報告して罰受けるんだとさ。リクがやらなきゃ逃げおおせてかもしんない、って考えりゃ結果オーライ!寧ろ誇っちゃいなよ。」
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