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「キミが友達の事を想うのはいい事よ?でも思い上がっちゃダメ。シオ達が抱える気持ちをキミも所有出来ると思ったら、それはその人を、そして自分を縛ってしまう。キミはキミが判断した事にただ従えばいい。」
「でもオレは結局…!」
「結果なんて動く時じゃわからない。というか何がどうなるかなんてわかんないから、どうしようも無く動いてしまうんでしょ?だったら動けばいい。」
尚も言葉を重ねようとするリクの唇にヲリエは人差し指を当てた。
「なぁーに自分で自分いじめてんの。キミが動く事、誰も責めやしないわよ。みんな知ってるんでしょ?アンタが誰かの為に戦えるヤツだって。」
「俺は…本当に…。」
「誰かを守りたい気持ちに、キミが背を向けてどうすんの。」
「……!」
リクは言葉を失して、ヲリエの瞳を見つめる。無邪気さに染まった豊かな眼差しがリクに降り注ぐ。ゆっくりと心にこびり付いたモノが溶け出していく気分だった。
驚きを瞳に湛えたまま、また沈黙してしまうリクの肩をアレンがそっと叩いた。
「ヘイ!アーユーオーケェ?」
「ああ……。」
上の空を声が飛ぶ。
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