24.メイビーブルー

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「そしてあなたが知った事、感じた事を記事に加えれば、騒動に意味が生まれる。誰かに大切なモノを託す為に遣わされた必然になる。皆が目にする事で更に深みは増すわ。…ちょっとクサいけどね。」 楽しそうにに笑いながら、ヲリエはシェリルを愛おしく見つめる。 「災難は多分まだ続く。あなたはそれだけゴタゴタの渦中にいてしまう存在だし、このサンドハーストはこの瞬間にも目に見えない所で色んな動きがある。考え付かないような面倒があなたを待っているかもしれない。」 温もりを含む辛辣な忠告が並んだ後、ヲリエはそっと告げる。 「それでも、あなたを支える人に気付けたのなら。あなたは負けないわ、絶対に。」 自信に満ちた言葉だった。曲がらない、しなやかな響き。胸にささり、中で優しく広がる。 傍にいるシオにも、シャーロックにも温かな波及が伝わる。そして目の前でシェリルの心が解きほぐされていくのが映し出されているような気がした。 「それじゃ、と。」 ヲリエは視線をシオに移した。優雅に首を傾ける。
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