24.メイビーブルー

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シャーロックはシオの方を向いた。シオは何か思案している面持ちで頷いた。 「思わせぶりに言い残しちゃったけど、あんま眉間に皺寄せちゃダメよ?自分で本人を見つけて、向き合えばいいんだから。」 シオにウインクを送った後、ヲリエは再び歩を進め、再び止まった。 「あ、そうだー…。キミ達、NOISEに入ってみない?クラブに入るのはまだ先だけど。」 「「「えっ?」」」 唐突な誘いに呆けた声を上げる三人。 「結構向いていると思うんだけどなー。純粋な気持ちで誰かの心と向き合える所とか、ね。」 ヲリエはそこまで云って一旦言葉を紡ぐのを止めた。 一瞬瞳に遠い光景を浮かべた後、続ける。 「『NOISEに入れる人間は誰よりも人付き合いが悪くて、誰よりも狡賢くて、誰よりも冷淡な人間だ。』…。」 「なーんか暗い台詞…。」 「あ、そう思う?私も好きじゃないんだよね。」 シャーロックの素直な指摘にヲリエは寂しげに笑う。 「だから、キミ達みたいな人達に来て欲しいんだよね。」 ヲリエは真っ直ぐ出口に向かう。もう迷い無い。 「反面教師に一泡吹かせたいんだ。あたしももう、迷いたくないから。」
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