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「淑女が使う台詞か。生徒会の一員ならもっと品良く振る舞え。」
「だったらアンタも節操ってモンを持ったらどうだよ?」
レオノーラはギロリとリカルドを睨んだ。
「ダンジョンプレイで一年坊に迷宮グチャグチャにされたのは二年のヘマだから仕方無いにしても今回の多目的ホールと舞台は何さ?私はワインになる血もパンになる肉も持っちゃい無い。バカみたいに金に出て行かれてこっちは堪んないだよ。」
「どちらも想定外の出来事だ。」
「それをどーにかすんのがアンタの役目でしょうが。」
耳の痛い話を突き付けられてリカルドは眉をしかめる。
「そーゆーなって、レオノーラ。」
次は髪を撫でつけている男が話に入った。
武骨さを秘めた精悍な顔立ちをした男は顎の髭が少し伸びている。若くはあるが、初々しさは無い。老成にも似た落ち着きを漂わせている。
瞳は濃紺だ。
「リカルドをとやかく責めても始まらないだろう?それにリカルドの云う事にゃ筋が通ってる。イーブンで済むじゃねぇか。」
声は一言一言、低く滑らかに響く。
「でもさぁエドガー…。」
「どこの世界でも可憐なヤツがモテんのさ、だろ?」
屈託のない笑みを向けられたレオノーラはただ頷くしか出来なかった。
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