25.手合わせ

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「いいねポーカー!黛賭け弱そうだしねぇ。」 レオノーラがギラギラした眼光を振り撒きながら云う。それに納得したリカルドとエドガーが笑う。 「…やってみなければ判らんだろう。」 「お、やるってか黛?そうこなくっちゃな!」 エドガーが上機嫌に指を鳴らす。足音無くアルフレッドが歩み寄った。 「何か?」 「カードと…レモネード持ってきてくれ。ってかお前もやっか?」 「…私は従者ですので。」 「ツレねぇ事云うなよなぁ!昔はよくやったろ?」 肩に手を回して誘ってくるエドガーにアルフレッドは困惑した顔を浮かべる。 が、部屋のドアが開く音が聴こえた時、表情を堅いそれに戻してアルフレッドはエドガーの腕をすり抜けた。迷わずドアの近くに歩み寄る。 「やりたいね、ポーカー。レオノーラのレートがもう少し低ければ尚更ね。」 レイル・コンスタンティノーブルが、優雅な足取りで入ってきた。後ろにはメイデン・メタルパレス、そしてもう一人青年がいる。 根元が剥げてプリンになっている金の短髪を掻きながら欠伸を漏らす青年からは緊張感は余り感じない。それでも太い眉が作る目力と広めの肩の下の引き締まった体からは怠惰を一切感じない。
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