25.手合わせ

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「我々がどう立ち直っても下がその通りに動いてくれるとは限らん。」 「だったら契機じゃん。これでつまんない感情でバカやらかす奴はいなくなるし。」 レオノーラが鼻で笑う。口調は滑らかで軽快だ。重々しさは無かった。 ハーレが気まずそうにレオノーラとリカルドを交互に見やる。それに気付いたエドガーはフォローを挟んだ。 「ま、過去の諸々はこれくらいにしようや。それに目障りな奴はまだいる。」 「スヴェインの停学はまだ解かれてない。問題はアマデオとNOISEか…。」 「アマ…デオってドナタ?」 「後で説明する。」 月虎の疑問を素っ気なく切り捨ててリカルドは説明を続けた。 「NOISEの連中は相変わらず足元を彷徨いているがアマデオはどうだ?大人しくて気色悪い。あのパブリック・エネミーがだ。」 「最近は手持ち無沙汰で流れている所しか見ないぞ。相手にする必要性は無いだろ。」 「脳味噌の回路が常時ショートしているような奴が息を潜めているんだ、これ以上気持ち悪い事は無い。そうだろう、黛?」 黛は肯定の沈黙で返す。 「でも火元は無いんでしょう?だったら煙は立ちはしない。」 「…探らせてはいるが中々…。感づかれているかもしれんな。」 メイデンの鋭い目線にリカルドは嘆息して頷く。
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