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「そぉれではぁ…来週のテストの、概…要を説明、する~…!」
滑舌の悪い台詞回しでカークスは説明し始めた。朝のホームルームの時分。
「テスト内容はぁ実技!武術、魔術ー何ーでもー有り!こ、ち、ら、が設定…したレベ~ルに合わせーてぇ戦ってもらう~…。舞、台~は、チュートリアルハウスにある訓練器具『ワイルドキューブ』!空間操作ーと幻覚魔法ーで制御されているダンジョン的な何かーだ!」
子細に見えてかなり大雑把な説明をカークスは繰り広げる。
「注ー意点がぁ複・数!一つ、時間、は一時間~…、二つ、受験者はフォ~マン、セルで受けてぇ…もらう。そぉの際、チーム…ワークが得点ー…に入るんで要・注・意。三つー、そぉのチームはクジでてっきとぅーにきめぇちゃうのでぇ~…うん。各自ぃ、誰がぁ、仲間だろうがぁ、気にしない、よう~にぃ~…。」
(チーム戦か…。)
聞き取りにくい言い回しを嫌そうな顔で耳にしつつ、リクは内心呟いた。
(足引っ張れねぇな…。)
ゾクリと、心が震えた。勇壮な武者震いにも、緊張におののく震えにも見えた。
そんなリクを、シオは遠目に見やる。
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