26.アンダードックズ・ビュー

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翌日の昼、食堂。 「この抽選には陰謀を感じざるを得ないね。」 アレンは朝配られたプリントをぞんざいにフラフラ揺らした。 「シオにシェリルにラウルにリク。ダンジョンプレイの勇者揃い踏みじゃないか。」 「アレンお前!二年をかっ飛ばしたピンチヒッターを忘れたのか!」 口周りについたミートパイのパイ生地を飛ばしながらシャーロックが憤慨する。 「深追いしてシャーベットにされかけた野郎はピンチヒッターって云わないのさ。」 「何をー!」 食事そっちのけで繰り広げられるじゃれ合いを尻目に、シオは小さく溜め息をつく。 「何だよシオ…冷めちゃってるじゃん。」 掴み掛かろうとするシャーロックをスプーンで押さえつけながら、アレンはシオを覗き込んだ。 「あ、いや…何もないよ…。」 「チキンカレーがマズかったのかぁ?…美味い。」 心配する裏でつまみ食いをするシャーロックに注意する素振りをシオは見せない。代わりに耳を引っ張って意趣返ししたアレンが尋ねた。 「どうしたのさ?なんかユーウツだよ。」
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