26.アンダードックズ・ビュー

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リカルドは迫る拳を認識すると上体を反らし、右手を月虎の胸に付けた。 「ホワイトアウト。」 「うわたたたっ!」 危機を察して月虎は離れるが、胸部と左腕部が瞬時に凍り付く。 「げげっ、やっべぇ!」 体を束縛する氷塊を、月虎は拳を打ち込んで粉砕する。 しかし、月虎の意識が氷塊から離れた瞬間に、両脇から発生した岩の手が月虎の右腕を掴み、ねじ上げた。 「うおっ!ってか痛ぇ!」 「ゴーレムクランチ…。もういいだろう。」 「おまっ、最弱とか云っといて勝つ気満々じゃねぇか!!」 「たかだか生け捕りだ。一先ずこれで終い…」 「…ってぇ思うよなぁぁ?」 月虎が上体を動かした瞬間、 ゴーレムクランチはねじ切られた。 「「ハァ?」」 冷徹に、間髪入れず攻め立てるリカルドが初めて、立ち尽くした。 「油断してっとぉぉぉ!」 月虎は千切れた岩の手を鎚のように振り回しながら突進し、 「つっぶれるぞぉぉ!」 リカルドに叩き付けた。
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