26.アンダードックズ・ビュー

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「手厳しい上に手酷いな…全く。」 苛立った口振りだが、手袋はもうしまっている。彼に戦闘の意志は無いようだ。月虎は頭を掻きながら苦笑を漏らす。 「ピンピンしていらっしゃる…。」 「クリアシェルで防いだだけの事。それに自分の術で精製したモノ、強度も如何様に。」 「ンだよー!お前反撃出来たんじゃんよ~!思わせ振りにやりやがってさぁ~…!」 「沈黙は金銀に値する。」 素っ気なく言い放ち、リカルドは踵を返した。月虎は溜め息をついてリカルドに続き、途中振り返る。 「よぉ、どうだった?リク。」 「どうだった…って、凄かったッス!普通に…!」 月虎は満足げに笑う。素直に感情表現が純粋に上手い。どこまでも純朴なんだろう。 「おう!そいつは良かった、素人なりに頑張った甲斐があったぜ!」 「素人って…結構場慣れしてたっつーか…。」 「俺ぁ地元じゃただのヤンキーだったからよ、ガキの喧嘩しか経験した事ねぇんだ。それに…」 「魔法、使えないんだよなぁ。」
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