5.イン・フィーリングス

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監察員と聴いて一部の一年生が顔をしかめる。監察員に悪い印象を持っている一年生は多い。それに一年生にはレイル達生徒会の支持者も多くいるからだ。 「明日は筆記の模擬テストを受けてもらう。ここまでは諸君にとってはさして面白みは無いだろう。だが、その後に行うサンドハーストの恒例行事『ダンジョンプレイ』、明後日は我々が主催する歓迎のパーティーは楽しみにしておいて欲しい。」 ざわめきは止んだ。リカルドは微かに笑みを浮かべる。 「特にダンジョンプレイは我々君達を生徒会に採用する為の一種のオーディションだと思ってくれ。我々が求める基準をクリアすればその時は最大の歓喜と期待をもって、我々の同志として迎えよう。」 一年生の群れから歓声が飛び出す。爛々と輝く瞳が並ぶ。 「サンドハーストに入るだけで君達は我々の仲間のようなモノだ。例え力が周囲より劣っていても不安に思わないないでほしい。しかし、我々は我々の大義の為に、一人でも多くの力を欲している。君達の未来の為にも、是非力を貸してほしい。ダンジョンプレイを合格しなくても、君達の存在の意味は変わらない。我々に、レイル・コンスタンティノーブルに想いを傾けてくれればそれだけで、我々はより奮起できる。」 「忘れないで欲しい、君達の存在が全てを変えるのだ。」
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