28.ランダムナイトメア

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一年生がざわつき始める。始めから同時行動出来ないという設定は予想外だ。動揺と手筈の再構築が静かに繰り広げられる。 「ハイ、ハイ、ハイ!開始は今から三十分後!それまでじっくり算段を考えな!」 フレンシェルは楽しげに微笑んだ。 「じっくり考えた分しっかり審査して差し上げるからね♪」 「全員バラけて入んのか…。」 「連絡手段が無いのはツラいねー…。」 「せめて内部構造が分かれば良いけどね。」 「どうにか合流する手段は見つけないとね。」 シオ達のチームも細々と相談し合う。 「やりようが見つかんない…かといってその場しのぎはダメだよね…。」 ラウルは頭を掻きながら降参を目で送る。 「臨機応変じゃ作戦になんないよなぁ。」 「そりゃあね。」 リクもシオも何も思い付かない素振りを見せる。 ふと、ラウルがシェリルの方を向いた。 「シェリルは、アレを使うのかい?」 アレが指し示すモノをシェリルは悟った。 躊躇い無く、頷く。 「私は私の全力で臨むって決めたから。」
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