28.ランダムナイトメア

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「だな。俺達は俺達の全力で臨むべきだ。ダンジョンプレイの時みたいに。」 「ダンジョンプレイ…。」 シオは一瞬遠い目を空に漂わせた後、口を開いた。 「だったら…あの時みたいな事が使えるんじゃないかな?」 掲げようとしている案に不思議とシオは自信を持てた。 一時間ばかりが経過し、シオ達は控え室から出てワイルドキューブのある場所へ向かう。 ワイルドキューブは相変わらず不気味な雰囲気を纏って居座っている。中からの衝撃が伝わっているのか、仄かな虹色が細かく震えている。 「前のチームはどこだっけ?」 「エリス、アレン、シャーロック、デイジーの四人だったよ、確か。」 「上手くいってんのかな…。」 「自分の心配!」 思わず意識が逸れたリクをシオが窘める。アレンやエリスといった友人ばかりのチームだ、無意識に心配してしまう。そんなリクにシェリルとラウルは苦笑を送る。 「や!そっちは全員揃っている感じ?」 フレンシェルが気さくに話し掛けてきた。緊張を適度に解してくれる、心地良い優しさが口調に籠もっている。 「大丈夫です。」 シェリルが応じると、フレンシェルは頼もしそうに四人を見渡す。
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