28.ランダムナイトメア

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「っ!」 無遠慮に向けられた刃を首を傾けかわすが、カークスの拳が容赦なくシオに打ち込まれる。 「ぐっ!」 「あぁ?」 シオは右腕でガードしていた。カークスの左拳を掴み、一息に投げ飛ばす。 それをカークスは宙に浮いた状態でバルディッシュを杖にして飛び跳ね、離脱した。 「インパルスレイヴ!」 「サンドウィッチヴェール。」 衣のように浮かび上がる砂塵がシオの追撃を荼毘に付した。軽やかなステップで距離を取り、再び砂塵の蠢きを促す。 「削げてきたかぁ、戦意?皮膚削れて無くなったら洒落ンなんねぇからさ。」 砂塵の形状を整えながらカークスは挑発を並べる。触発されたシオが飛びかかってきた所を仕留める算段が見え隠れする。 「試験中に云う事じゃないよね?」 「途中退室はありだぜ?早けりゃ早い程成績は寒くなるけどな。」 「俺相手だからって冷たくないか?」 「バーカ。レベルは全員同じだよ。お前は特別であって特別で無いよ。」 不味そうに煙を吐いて、カークスは煙草を捨てた。 「それに顔見知りが前にいない分、侘びしい気持ちになってんだろうけどな。」
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