28.ランダムナイトメア

15/24
前へ
/913ページ
次へ
「んだよ、コレェ!」 素っ頓狂な叫び声を上げてリクは突っ走る。走る走る走る。その背後を無数の光線が降り注ぎ、壁を破砕していく。 「あぁくそっ!カタストロフィカノン!」 僅かに光線が緩んだ瞬間を熱の砲弾が突き抜ける。しかしカタストロフィカノンは当たらず、光の槍衾はより厚く立ち塞がる。 埒が開かないと判断したリクは立ち止まり、光線と向かい合った。 「クリアシェル!」 透き通った結界が光線を押し留め、爆風が吹き荒ぶ。敵は変化した状況を認識しようと一時攻撃を停止した。 爆風と煙が過ぎ去り、クリアシェル越しから敵は姿を見せた。 それは人では無い。 印象はオリエンテーションでリク達が戦ったデウスエクスマキナに近い。だが棺に手足が付いただけのような奴とは違い、流線型の、洗練されたフォルムになっている。加えて人間のそれを模した六本の腕、キャタピラーのついた脚。腕は上段が2m近くあり、中段はそれより少し短く、下段は通常の腕の長さになっている。 「デウスエクスマキナ2ってか…?」 リクが苦笑いを浮かべると、デウスエクスマキナ2は六本の腕を広げた。掌に光が集積し始め、そして一挙に放出される。 「またかっ?!」 クリアシェルを維持したまま、リクは屈んだ。
/913ページ

最初のコメントを投稿しよう!

863人が本棚に入れています
本棚に追加