29.マインド・コンプレックス

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ワイルドキューブ内、東ブロック。 「おぅらあぁあぁぁぁぁ!!」 テンションが振り切れんばかりの大声を上げながら、リクは鳳嘴を振り回した。 がむしゃらな斬撃をデウスエクスマキナ2は六本の腕を繰り出して払う。 「クソォッ!」 デウスエクスマキナ2の上段の右腕の一撃をかわし、関節部分に深々と鳳嘴を突き立てる。ショート音と金属の摩擦音が鳴り響く。麻痺して気が触れたように右腕が痙攣し出す。 だが平然とした様子でデウスエクスマキナ2はリクから離れ、徐に右腕の二の腕から先を千切り取った。そして意趣返しとばかりに右腕を投げ飛ばす。 「タフだな!」 リクが鳳嘴で振り払えば、デウスエクスマキナ2は残った腕を広げて再び光線を撃ち出す。腕が一本無くなってもデウスエクスマキナ2の勢いが衰える様子は無い。寧ろ右腕を台無しにされた怒りを漂わせている気配すら感じる。 「ま、た、それかよ!」 リクはまた全速力で足を動かす。相手は接近戦に持ち込まない時はかならず光線の嵐で場を濁す。 (アウトブレイズドライブでもキメれば形勢が変わるんだろうけどな…。) その為には光線をかいくぐり、鳳嘴が確実に届く間まで詰めなきゃならない。それを叶える方策をリクは早急に組立始めた。
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