29.マインド・コンプレックス

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デウスエクスマキナ2との距離を測りつつ、リクは接近を試みる。 頭部を狙ってラピッドファイアを放つ。しかし腕を捻って光線をぶつけて消滅させられた。 前方にバーンウェイブを敷いて目隠しを作る。だが光線を爆発させた爆風で掻き消された。 「チックショオオォォ!!」 泣きそうになりながらも、リクはグルグル考えを巡らす。肉体的にも、精神的にも、立ち止まる余裕は無い。 「仕切り直しだっ!」 目の前のドアを開いて飛び込むと、リクは背中でドアを閉めて座り込む。 「…あー…独りじゃどうにもなんねぇ…わかってるけどよぉ…。意地なんて張ってても…」 ゆっくりと眼差しを上げると、変わらぬ姿のデウスエクスマキナ2がいた。 「意味ねぇってさ…。」 リクは鳳嘴を鞘に納め、柄を胸に当てた。 「灯れ…スクァッシュ!」 スクァッシュが元気良く現出する。被り物越しからでもわかるくらい、彼は勇んでいた。 「珍しく名前が呼べたな。」 「…必要だからな。」 リクは鳳嘴を抜き放つ。 「さぁっ!何とかしろっ!」 「ノープランかよ…。」 ガクッと肩を落としても、スクァッシュから活気は褪せない。 「まぁ…上等!」 眼前に敵を見据え、二人は闘志をたぎらせる。
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