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同時刻、中央制御室。
アナウンスを終えたリカルドはマイクフォンを首に掛けた。
手前のサリアが「データ採取開始」とマイクフォンを通して命じ、パソコンのキーボードを打ち始める。サリアを中心に、ドーナツ型の巨大な円卓に並ぶスタッフもほぼ同時に作業を始めた。キーボードを打つ音に合わせて、円卓の中央の穴かは現れたランドルト環のような光の輪が忙しなく、様々な方向、角度、位置に広がり、繋がり、動いて、パソコンに吸い込まれるように消えた。逆の動きをしている輪もある。
幾つかの輪はリカルドの前に並んで道場内の映像を移すビジョンになっていた。
「では後々の作業は委託していただけますね?ヴェスティール先生。」
リカルドの背後に立っているフードを被った男に話しかけた。
壁により掛かっている男は静かな口調で答えた。
「確認した。後は任せよう。ペネロペには保健室を開放するよう指示は出した。円滑に事が進む事を祈る。」
ヴェスティールと呼ばれた男はそれだけを告げて出て行った。
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