32.少年少女

4/14
前へ
/913ページ
次へ
シオ、リク、デイジー、ラウル、アレン、シャーロック。ソフトドリンクを片手に、親しい面々が勢揃いしていた。途端に、固まっていた緊張が解かれる。 「みんな、どうしたの?」 「試験頑張ったパーティーって奴だぜ!俺の活躍を讃える為の…」 「序盤の逃げ腰とのギャップが光ってたね~。」 「ンだとぉアレン!」 「でもコイツがバスクに無駄吠えさせたからワイルドキューブのカラクリに気付けたんだけどな…。」 「奇しくもデイジーの云う通り…ってどうしたのさリク、冷や汗こぼしちゃって。」 「べ、別に何でもないぞぉー俺は。」 そういえばこの光景を大分久し振りに見たような気がする。ダンジョンプレイ、ブリジットの一件、実技試験。良くも悪くも、多くの事が有り過ぎた。 その間に一度皆が離散してしまったような気がした。手の届かない距離にお互い散らばって、目も合わさない他人になってしまっている。そんな予感をシェリルは心の片隅で感じていた。 「シェリル?」 浮かない顔をしていると思ったのか、シオが気まずげに覗き込んでくる。大きな瞳がやたら愛くるしく見えたシェリルはフワリと微笑んだ。 「ううん!ちょっとドキドキしている。」 シェリルに呼応してシオも笑う。オレンジジュースの瓶を受け取って、シェリルは心地良い冷たさを両手で楽しむ。 「此処はどうやって見つけたの?」 「シャーロックがバスクの召還の特訓していた時に見つけたんだって。」
/913ページ

最初のコメントを投稿しよう!

863人が本棚に入れています
本棚に追加